ごみ捨て場にごみを捨てようとしたら、もの凄い勢いで止められた

「いやいやいや、ここは専用なんで」

ごみ捨て場へ入ろうとしたところ、上記のように言われながらもの凄い勢いで止められるという驚きの体験をしたので、衝動的にエントリー。

このエントリを書いている今日9/14日(日)に目黒区田道広場公園で行われた「目黒のさんま祭」に行ってきたときのことでした。

目黒のさんま祭はおよそ1万人が訪れるイベントで、近所のレストランによる出店やら司法書士相談所やらとなんでもありの、町おこし的な催しです。僕はいかにも祭りっぽくビールとやきそばを食べてごみ捨て場を探しながら帰ろうとしたところ、ごみを分別して捨てるコーナーらしきものがあったので立ち入ろうとしました。


ごみ分別場らしきもの。

すると入り口に立っていたスタッフの方に「いやいやいや、ここは専用なので」と言われながら、スタッフの方に体と腕を広げられて大げさに入場をさえぎられてしまったのでした。

予想外の出来事に驚いて説明を聞かずに退散したので、どういうことか理解したくて遠巻きに観察していると、どうやら「無償配布しているごみ拾いツールを持った人だけが入場できる、専用のごみ捨て場」のようです。


ごみを捨てられずに立ちつくすの図。

この専用ゴミ捨て場はイベントに際してごみ拾い運動を行っているブースらしく、希望者には無償で専用のゴミ袋が配られており、そのゴミ袋に入れたゴミだけを収集しているようです。これが分かった時点で「ごみ拾い運動ということなら、全部のごみを集めてたら大変だからまあ仕方がないか...」と理解しかけました。

理解しかけたのですが、「ていうか、なんで別々に収集する必要があるの」という疑問が沸いてきました。祭りのごみを収集する目的であれば、一つにまとめたほうが都合が良い筈です。そしてそもそもこのブースはどこの団体の出展なのか、遠巻きに見ている限りではよくわかりません。目黒区や町内会では無さそうなことは、手慣れたコンパニオンのお姉さんがいることから何となく伝わってきます。しかし団体名や看板などはありません。はて?

そうしている間にも、同じように専用ごみ袋を持たない人たちが次々と止められています。家族連れ、夫婦、ご婦人方など、普通のごみ捨て場と勘違いしては入る入る。まるで飛んで火に入る夏の虫たちのようです。ある男性などは速足で颯爽とごみ捨てに入ろうとしたところもの凄い勢いで入り口でガードされて、苦笑いで引き返していました

その光景が滑稽で(大変失礼ながら)面白かったのでしばらく観察していると「割り箸を手に1本だけ持った女性」がブースに近づいてきます。さすがに割り箸一本ぐらいは捨てさせてくれるだろう、と思っていたら、見事に断られていました。そ、そこまでするか!

以下がその様子です。


左:入り口のスタッフ2名 右:割り箸を持った女性


女性が入ろうとしたところを、スタッフが止めにかかる。


案内板を横目に退散する女性。

テントに近づいてみると、小さな文字で「共催:渋谷たばこ商業協同組合、JT 協力:目黒区、環境省」と書いてありました。運営団体はどうやらJTさんのようです。


JT、目黒区、環境省。

テントに近づくまで一切JTが主催だということがわからなかったので、ブースを出すことでJTさんにとってどんなメリットがあるのだろうと疑問に思いました。深い洞察ではないのですが、この様子から見る限り、消費者向けのブランドカラーの認知とイメージアップかな、と思いました。(JTのブランドカラーは白と緑ですしね)

とはいっても、ごみ拾い運動はイベント会場がきれいになるし、ごみの無いスペースは気持ちがいいものです。プラスチックのトングも配られていたので、手を汚すこともなくごみ拾いができます。軍手より衛生的だし、気が利いています。うん。ちょっと驚いたけど、別にいいですよね。そもそも営利企業なんだし。

納得して帰ろうとしたところ、ブースの脇ではコンパニオンのお姉さんが、ごみを持って来た男の子にマイクで元気に話しかけていました。

お姉さん「今日はいっぱい拾ったねー。どんなごみが一番多かったかな?」

男の子「自分の食べたごみー」

えー。

以下、追記

執筆後にたくさんのコメントを頂きました。ありがとうございます!

頂いたコメントの中に「ごみを捨てさせてもらえなかったことに怒っている」「ごみ処理費用を負担せずに、タダ乗りしようとしているのは、むしがよすぎる」といった言及がありましたが、このブースで手持ちのごみが捨てられないことは、問題にはしてません。そう受け取られやすい内容なので仕方が無いとは思いますが...。

一番伝えたかったのは、本文中で何度も強調している「勘違いして入ろうとすると、すごい勢いで止められる」そして、「そのやり方だと双方にとって損な結果にしかならない」ということなのでした。強調部分は以下です。

「いやいやいや、ここは専用なので」と言われながら、スタッフの方に体と腕を広げられて大げさに入場をさえぎられてしまった

そうしている間にも、同じように専用ごみ袋を持たない人たちが次々と止められています。家族連れ、夫婦、ご婦人方など、普通のごみ捨て場と勘違いしては入る入る。まるで飛んで火に入る夏の虫たちのようです。

ある男性などは速足で颯爽とごみ捨てに入ろうとしたところもの凄い勢いで入り口でガードされて、苦笑いで引き返していました

「割り箸を手に1本だけ持った女性」がブースに近づいてきます。さすがに割り箸一本ぐらいは捨てさせてくれるだろう、と思っていたら、見事に断られていました

この強調から「紛らわしいブースに勘違いして入ってきて、いきなり追い返される人がたくさんいる」ということに注目して頂けるかと思ったのですが、僕の文章力が足りずあまり伝わらなかったようなので、このような形で追記させていただきました。(気づいていただけた方もいました)

ちなみに「いきなりスタッフが体で止めにかかってくる」というのは、普段体験することが無いぶん驚きと不快感が混じった妙な気分になります。ごみを持った人が「ごみ捨て場っぽいところがあるから、ちゃんと捨てに行こう」と思ってやってきたのに「ここでは捨ててはいけません」と断られてしまう。断られた方は一瞬何が何だかわからず、そしておそらく断る方も気持ちのいい物ではありません。

「専用ごみ袋をもらって捨てに行けばいいのでは」というコメントもいただきましたが、そもそも「拾ったものを集める」という主旨なのでそれはできません。そしてその主旨とルールはうまく周囲に伝わっておらず、沢山の勘違いする人たちを作り出してしまっているという。ひょっとしたら、専用ゴミ袋を使わずにごみを拾って捨てに来た人もいたのでは...?

まとめると「アナウンスが不十分で、不快な思いを与えてしまっている」ということです。

解決案としては以下の感じではないかと思います。

  • 入り口に「ここは拾ったごみを捨てる専用スペースです」といったわかりやすい立て看板を立てる。
  • それでもそれに気づかず入ってくる人は多少は見逃す。
  • あまりに勘違いして入ってくる多いようであれば、いきなり止めずにやんわりとマイクで促す。
  • 拾ったごみであれば専用ツールを持っていなくても、捨ててよいことにする。

これなら人員コストも削減できて、いきなり止められて不快に思う人も減らせるのではないかと、現場を見てて思った解決策でした。

頂いたコメントの中に「JTさんの活動のおかげで会場が綺麗になったイベントがあった」というお話もあるので、JTさんにはぜひ一度やり方を見直してみては如何ではと思います。

(2008-09-15)

コメント / トラックバック

コメント / トラックバック 17 件

  1. あん より:

    JTのこの企画、たしかに頭ではなんとなく理解できるんですけどねー・・

    でもブースの近くでポイ捨てしたらどうなるか、検証して欲しかったですw

  2. dunton より:

    一回だけ、緑の服を着てひろまち運動のボランティアしたことがあります。
    私の時は、ここに書かれているように、ものすごい勢いで止めるスタッフはいませんでした。
    でも、ひろまち運動のJTの人が、事前のミーティングを、タバコをすいながら行い、
    あまっさえ、灰を地面に落としていたのには幻滅しました。
    怒鳴っておけばよかった。

    でも、スタッフの女性の多くは、コンパニオンの会社から派遣されたモデルの方で、
    楽しくお話ができたので、その点ではよい思い出になっています。

    プラマイゼロって感じで。

  3. gf より:

    道端にすてればこの人たちが入れてくれるよ。

    って考え方になるひともいそうです。

  4. 774 より:

    >>gf
    なるほどーwwww
    ゴミ箱に捨てずに入り口付近に「捨てて」置けばゴミの散逸も防げるし手持ちのゴミも処分できるしいいことづくめだ。

  5. nanasi より:

    イベント会場(花火とかコンサートとか)だと、持ち込みゴミ(弁当のカス)は断られることが良くあるよね。それと類似のことなんでは?

  6. 名無し より:

    ごみをポイ捨てせずにわざわざステに来ている人を断るとは何事か。
    Webをみると「日本中にマナーを広げたい」なんて堂堂と書いてあります。既にマナーを心得てる人はお断りですか?
    とんだCSRですね。dunton氏の指摘も含め、こんなんじゃあCSRだなんて言えないでしょ。

  7. 名無し より:

    まぁ、基本ゴミは持ち帰りましょう。(^_^)v

  8. 通りすがり より:

    ゴミを捨てるのにも金が要る時代ですからねー仕方が無いといえば仕方が無いのですがーマー捨てられない人はそこらに置いていくってのが正しい対応だと思いますよ。スタッフに自分らのやってる矛盾を知らしめるって意味でも。

  9. 吉川 より:

    昔からゴミの回収や処分には、費用がかかります。でも、私たちと遠い存在ですからね。意識がないんでしょうね。

  10. Nosmoke rider より:

    レポートありがとうございます
    タバコを売りながら
    ゴミ拾いを非喫煙者である子ども達にさせる

    JTのCSRは偽善ですからね
    詳細に記されたので概要が分かりました

  11. 佐々木 より:

    JTも地道に無駄な悪あがきを続けますね。
    路上のゴミの大部分はポイ捨ての煙草なんでマッチポンプみたいなもんですけど。

  12. にょっぱ より:

    単純に、拾えば街が綺麗になる運動って銘打ってやってるんだから、その主目的はゴミを拾って集めることでしょ?
    きちんと分別されてるならそのままより多くイベントとしてゴミを集めればいいし、
    それを不可とするなら管理人さんの言う通りアナウンスして「イベントなのでそれに参加してる方だけの集積場になりま~す、普通のゴミ捨て場は東100m先にございまーす★」とか、
    せっかくコンパニオン揃えたなら笑顔で言わせりゃいいと思うケド。
    ゴミを集めるって趣旨なら、そこにあるゴミ全部を引き取るくらいの覚悟でやんないとイベントやる意味がない気もします。富士山のやつみたいに一回で拾いきれないモンでもなさそうですし。

    しかも最後、趣旨と真反対の、参加した子供が「自分で食べた弁当ゴミは受付」したんなら、参加さえすれば拾わないゴミでもOKっていう、なんのために一般人を身体で抑えてたのか・・・なんとも頭が悪く融通の利かない人間の偽善イベって思っちゃいますね。
    普通、断るときって胸の前で腕を×印にしたりして、「参加者でないと捨てられないんです、申しわけありません~」でいいと思うんだけど。
    なんにせよ自分が正しいと人間味無く従事している姿が悲しいね。

  13. nanashi より:

    そうそう偽善。
    ゴミ拾い運動っていう名目でやれば
    吸殻も拾ってくれるからね。
    本当は吸殻「だけ」拾ってもらえれば
    JTとしてはいいんだろうけど。

  14. とーりすがり より:

    拾えば街が好きになる、っていうのは、いいフレーズだとおもったのですが実は、
    拾えば*タバコを吸う人がいても*街はきれいになる、
    っていう意味だったんですね。

  15. とある担当の気持ち より:

    広告にお金使いすぎて、人件費取れなかったんですよ...