本気で紙の電子化を考える

ScanSnapで、文書を捨てる術を得よう

私は如何にして“収納”するのを止めて“捨てる”技術を身につけたか。 (1/3)を読んで、ScanSnap fi-5110EOX3の導入を本気で考え始めました。単に電子化したい資料に関わらず、思い出的な要素の紙も手軽にスキャンできれば、かなりの紙を捨てられるのでは...と思ったのです。

私の場合、仕事で文書の電子化が必要になることはほとんど無いのですが、生活の中で捨てたいけど捨てられない紙がかなり発生します。捨てるのが苦手と言うこともあるので、フラットヘッドスキャナを使って捨てたい紙の電子化を試みたことがあったのですが、頓挫してしまいました。

紙の電子化が頓挫した理由は、フラットヘッドスキャナ

私の使用していたフラットヘッドスキャナは一般的な横置きタイプで、価格は1万円程度でした。

A4以上の変則的な紙が多すぎる

生活の中で発生する紙は、A4以上のサイズの変則的な用紙が数多く存在します。NTTの利用明細、携帯電話の利用明細、クレジットカードの利用明細、保険証券、公的機関からの連絡文書(私の場合、これが大量。しかも結構重要で捨てられない。B4、A4、B5入り交じりでひどいことに。)などなど。こういったものを標準的なフラットヘッドスキャナでスキャンしようとするとはみ出てしまい、面倒です。折り曲げて2回に分けてスキャンすれば何とかなりますが、2回のスキャン→画像の結合という手順を踏むことになり、かなりの手間がかかります。

遅い・手間がかかる

1万円以内のフラットヘッドスキャナを使った人なら口を揃えて「スキャン速度が遅い」と嘆きます。私もそうでした。数十秒で1枚スキャンできるのですが、数十秒はかなり長く感じられました。1枚程度なら我慢できますが、4~5枚以上になるとやる気がおきませんでした。数十枚の現像した写真の電子化なんてもってのほかでした。

邪魔

A4対応のフラットヘッドスキャナというものは、かなりのスペースを占有します。前にあげた理由により、電子化に対して億劫になってしまい使用頻度が下がると、スキャナは収納されることになりました。そして収納してしまうと今度は取り出すのが面倒になり、さらに億劫に...という悪循環により、紙の電子化は完全に頓挫してしまいました。

ScanSnapの凄いところ

高速

ある展示会でScanSnapの実働デモを見せていただいたことがありまして、もう、そのスピードといったら腰が抜けるほどでした。A4用紙1枚が「スーーーッ」でスキャン完了してしまうさまは、感動モノです。オートシードフィーダが標準装備なので、大量の用紙のスキャンを一気にこなせます。

製品紹介によると、A4両面原稿を毎分15枚(30ページ)で読み取るそうです。また、ScanSnap ご紹介ビデオにて実際にスキャンする様子を閲覧できます。

速度は申し分なしですね。

両面同時スキャン

フラットヘッドスキャナではなかなか無い、両面同時スキャンが可能です。大量の両面印刷書類を取り込むときは単純に手間と所用時間が1/2になります。これは大きい。また、デモ会場で販促員の方に「両面スキャンでA4以上の紙をスキャンできるんですよ」と言われて、私は一瞬「?」となったのですがすぐに理解しました。A4以上の紙を折りたたんで両面スキャンし、ソフトウェア的に結合すれば全面スキャンしたことになるのです。結合は自動で行ってくれるので、何も難しいことはありません。結合部(折れ目)の途切れなどを気にしないもの限定とはいえ、A4ノートPCより小さいサイズのスキャナでA3までの用紙をスキャン可能というギミックはとても魅力的です。

小さい

幅284mm、奥行き146mmというコンパクトボディは、収納しなくてもストレスにならない占有面積です。とくに奥行き146mmというサイズはA4ノートPCの半分ですから、その小ささは革命的だと思います。

ScanSnapのデメリット

本形式のものは切り出さないとスキャンできない

オートシードフィーダ専用なので、構造上仕方のない部分です。切り出せないものでどうしても電子化したいものは、従来のフラットヘッドスキャナで対応します。デジカメで撮影する手もあります。

最高画質を求めるには不向き

これも構造上仕方のない部分ですが、書類を動かしてスキャンするのでどうしても微妙なズレが発生することがあります。文書や写真を保存するためならば微妙なズレは気になりませんが、美術的な用途では不向きでしょう。

今回の私の目的は文書やプライベートな写真の保存にあるので、画質については神経質にならないので問題ありません。どうしても画質を追求したいときは、従来のフラットヘッドスキャナで対応します。

価格

2005.8.3時点での価格帯が4万~5万ということで、普及帯のフラットヘッドスキャナの実に4倍以上。正直言って非常に高い買い物です。超高速・革命的なコンパクトサイズという付加価値を考えればトントンでしょうか。もし使わなかったことを考えてしまうと躊躇する価格であることは確かです。

そして、購入

こうしていろいろ悩んだ末、買うことにしました。機種は現時点での最新型のfi-5110EOX3です。また、今まで電子化を考えもしなかった大量の古い書籍資料のダンボールともお別れすることができそうです。

レビューリンク集

ScanSnap FI-5110EOX3
ScanSnap FI-5110EOX3

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富士通 (2005/05/31)
売り上げランキング: 436
おすすめ度の平均: 4

5 早い 賢い きれい
2 あえて悪い点を...
5 とにかく速い

ScanSnap 買っちゃった。 - デジタルな気持ち

さて、使用感ですが、早い、いや速い、それもチョ~速い!!
カタログやらで速いというのは分かっていたが、これほど速いとは思わなかった。感覚としては、FAXで送られる原稿並に速い。言葉だとシャー、シャーと連続して読める。ただ、読み込んだ後、PDFに変換(?)するまでは時間がかかった。これはCPUのパワーに依存するらしい(確認はしていないがそう聞いている)

ともかく、体感しないとこの感動は伝えられないな、という感じです。富士通&PFUグッジョブ!

便利&快適!! 「ScanSnap! fi-511EOX」 - ケータイWatch スタパトロニクス

これから買うならコレに決定だと思って止まない俺だが、やはり残念なのはその価格。スキャナという範疇で見ると高く感じる。また、このくらい高いんなら、フラットベッド機に負けないくらいの高品位・高精細スキャンもデキて欲しいなぁとか思ったりもする。もちろん、ドキュメントの多量スキャンが必要な人にとってはコストパフォーマンスが非常に高い製品なのだが。

fi-5110EOX2についてのくちコミ【価格.com】

質問に関してですが、Dengorouさんの言うとおり、TWAIN非対応なのでフォトショップとの直接の連動はできません。PDFまたはJPEGで取り込んでからフォトショップで読み込む形になります。

第二の質問については、シートフィーダ型スキャナの宿命ですが画像のゆがみが微妙に発生することがあります。これが気になるかどうかは使う人次第です。

第三の質問についてはグレースケールというモードがありませんのでカラーでスキャンしてフォトショップで読み込み変換するという形になると思います。カラーでの最高解像度は600dpiです。

注釈

古い書籍資料

Z80アセンブラや、MSXのハードウェア資料、完全保存版のムック、映画のパンフレットなどなど。もう開くことは絶対に無いが、当時の価値が高く今でも微妙に価値のあるもの。思い出的な要素も強い。

コメント / トラックバック

コメント / トラックバック 4 件

  1. あきのそら より:

    紙の電子化は結構重要なことなんだけど
    僕の場合はモニターでは非常に読みにくく
    再度長文データを真剣に読む場合は結局リプリントしたものを読んだりするわけだけど、その辺の問題はどう?
    再度プリント時に画像形式だとどうしてもプリントの効率が悪い、OSRは認識度に不安が残るし

  2. あきのそら より:

    訂正 OSR→OCR

  3. ScanSnap活用法 (コミック本の場合)

    ScanSnap基本的な利用方法は、紙の資料を 電子文書化することである。そして...

  4. ドキュメントスキャナ買ったど~

    写真:想像以上にコンパクトでした 私の机の上が書類で散乱し(仕事柄ということにし