Googleが世界をよくしようとしているのは、たぶん本気だ

ウェブ進化論で梅田さんは言う。Googleの中の人たちは、世界をよりよいところにすることがミッションだと感じて日々研究開発を行っていると。

それはたぶん本気だと、私は思う。

Googleの中の人たちはみんな優秀だ。Google以外のどこへ行っても十二分な収入を得られる能力を持った人たちで、近い将来のお金の心配がまったく無い人たちだ。これは人生においてかなりの幸福を手にしているといえる。そして研究開発が好きだ。余分なお金と研究開発する機会を選べと聞かれれば、たぶん、9割以上が研究開発を選ぶ人たちだと思う。Googleにいればその好きな研究開発を存分に行うことができる。そしてGoogleで研究開発をしている限りはお金も同時についてくる。

十分な収入を得られて、やりたいこともやれる。どんなに幸せなことだろう。

私は思った。Googleの中の人たちは十分幸せだからこそ、Googleという会社を通じて世の中に利益(幸せ)を還元しようとしているんじゃないかと。

世の中に利益を還元しようとする行為は何も大げさな事じゃない。身近な例として、恋愛中の人を例にあげてみよう。

恋愛がとてもよい状態にあるとき、人は他人に対して妙に優しくなることがよくある。自分が幸せでいっぱいだと、幸せが溢れて他人も幸せにしたいと思う気持ちが働くんだと思う。それは自分の幸せをさらに大きなものにするためでもあるけど、結果的に他人が幸せになれば文句なしだ。

行動原理が同じなら、十分に幸せなGoogleの中の人たちが世界をよくしようと思うのは自然な流れだと思う。

ちょっと話がそれるが、本当のお金持ちは信じられないほど気前が良い。最近では任天堂の元社長の山内博氏が以前に世話になった病院に70億円を寄付した例がある。そのことについて気になるコメントを見かけた。「山内氏は、収入を税金で持ってるいかれるくらいなら自分の関係のある病院に寄付していざというときにのために...といった気持ちで寄付したんだろう」といったものだ。これはちょっと失礼な想像だ。山内氏は、純粋に自分を助けてくれた人たちや社会のために利益を還元したくて寄付をしたんだと思う。

ちなみにこういった幸せや寄付の話に対して周りが「偽善だ!」と反応している例を多く見かけるが、「偽善だ」と言うことで何を批判しているのかよくわからないことが多くて閉口する。たぶん悪気は無くてそう言いたいだけなんだと思うけどね。

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる
梅田 望夫
筑摩書房 (2006/02/07)

コメント / トラックバック

コメント / トラックバック 4 件

  1. あきのそら より:

    偽善云々は基本的にみんな成功者が嫌いだからじゃないかと ルサンチマンですよ

    個人的には別に偽善とかどうでもいい、
    ほかの人にできないことをやったという事実だけがあればいいんじゃないカト

    しかしながら
    「自分が考える他人の幸せ」が必ずしも
    「他人の幸せ」ではないことはたしかだし
    「自分の考える他人の幸せ」が大きなお世話なこともしばしばではないかと
    他人から押し付けられる幸福ほど癇に障るものはないと思うが、どう?
    特に恋愛でのぼせ上がっている人間の考える「他人の幸福」は相当なレベルで歪曲してると思うが・・・

  2. あきやん より:

    押しつけはよくないよね。エゴだし。
    優しさを超えて思いやりに到達し、他人の過ちを受け入れる状態ならいいんじゃないかな。

  3. チョロ吉 より:

    現存のサービスをグレードアップしている感は否めないけれど、わけ隔てなくサポートしている面などストライクゾーンが広いのは、さすがグーグルだと思う。
    都心部だけでなく、地方のグーグルマップなど、細部の充実を強く期待。

  4. peace68 より:

    偽善だと言って批判する人多いですよね。