どんなに世の中が便利になっても仕事量が減らないのは、競争しているから

wooser 「この10年で世の中って10倍便利になったと思うけど、なのに誰も仕事量が10分の1になってないっていうのは、なにがどこに消えてるのか不思議で仕方ないよ。」 http://twitter.com/wooser/status/2708764069

via RENEGADE COPYRIGHT WAVE (津田大介氏のtumblr)

競争なので便利になっても余った時間が再投資され、仕事量は減らない

この疑問への答えを考えてみたところ、「競争しているから」が答えとなる理由だと思いました。

まず、仕事はほとんどの場合において、競合他社/他者との競争にさらされています。

そしてある仕事にとって便利なものがあるとき、同じ仕事をしている競争相手にも便利なものである可能性が高いです。便利なものを使うことで今までの仕事量が10分の1になっても、競争するゲームですから、仕事量が減ったことによって余った時間を再投資する方が勝てる確率を上げることができます。

まあ全ての仕事が時間をかければ優位に立てるとうものでもありませんが、便利なものによってラクになる仕事というのは、仕事量が結果に直結することが多いと思います。仕事量が結果に直結するなら、時間の再投資によって優位に立てる確率はほぼ確実に上がるでしょう。

他の、仕事量が結果に直結しない仕事についてはセンスやアイデア勝負な仕事が挙げられます。そしてセンスやアイデアを強化するような便利なものというのは、なかなかありません。ただ、センスを磨いたりアイデアを得るための活動はありそうですから、そういった活動をするための時間が捻出できるような便利なものを利用することは、勝つためには有効かもしれません。

ちなみに生活の場での仕事に目を向けると、洗濯機や食器洗い機など便利なものを使うことで、仕事量は丸ごと削減できていることがわかります。洗濯や食器洗いの量には競争相手がいないからです。

本当に仕事量を減らす(あるいは報酬を増やす)、ある一つの方法

さて、ここまででなぜ便利になっても仕事量が減らないのかを考えましたが、では、本当に仕事量を減らすためにはどうすればよいのでしょうか。

この話の流れ的に、沢山あるであろう答えの中から一つ選ぶなら「みんなが便利だと思うものを作ること」が挙げられます。使うのではなく、作るのです。使うのは簡単なことですが、作るのは中々難しいです。本当に便利なものを作っても、使ってもらうことが難しかったりもします。そしてもちろんのことですが、使ってもらったことで自分たちに利益が落ちる仕組みも必要です。

ただ、便利なものを作っても仕事量自体は変わらないかもしれませんが、報酬が10倍になる可能性は十分にあります。同じ仕事量で報酬が10倍であれば、仕事量が1/10になったと考えるのもアリだと思います。

便利なものを使うことそれ自体は基本的にはどんどんやるとよいでしょう。ただしそれで劇的に何かが変わる可能性は、競争している限りは低いということです。

最後に、「なにがどこに消えてるのか」という問いに対しては、「便利なものを使う側は時間を得てそれを再投資し、便利なものを作った側は利益を得ている」ということで締めたいと思います。

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コメント / トラックバック 1 件

  1. mac10 より:

    あきやんさんにはいつも色々教えていただいてます。普段考えてることをさらに追求して、ドンづまりまで行ってみる。これが、実は全てにおいての最大、最高のヒントなのでしょうね。
    やはり、人間、おっきな脳を神にいただいているからには、眉間がきなくさくなるくらい使わないといけませんね。