反オカルトで論理的な風水整理術本「ガラクタ捨てれば自分が見える―風水整理術入門」

「風水」というと、多少のスピリチュアル感があります。ましてや「整理整頓」との風水のイメージなんて、「どこそこの方角に、何色の物を置くと運気が高まる」とか、もう、やれやれって感じですよね。

でもこの風水整理術本、「ガラクタ捨てれば自分が見える―風水整理術入門」は違いました。

ガラクタ捨てれば自分が見える―風水整理術入門 (小学館文庫)
カレン・キングストン
小学館
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僕が本書から最も衝撃を受けた理論は「エネルギーの通り道を確保しろ」というものでした。

廊下、通り道、階段などに置いてある障害物は、家に活発なエネルギーが入ることを妨げます。ですからあなたの人生は、進展の少ない滞ったものになるでしょう。最も悪いのは、そこを通るたびに体を半身にしなければならない障害物です。この部分を、可能な限りきれいに保ちましょう。

廊下や窓辺に物を置いている人は、試しにどかしてみてください。いますぐです。ない人は逆に置いてみてください。ものがあるときは「なんとなく、邪魔なかんじ」がして、ないときは「すっきりしている」でしょう?

整理整頓できていない感じのする家や部屋は、例外なくこの通り道が確保されていません。窓や廊下だけならず、床にまでものがあふれていたら、それはもう大変な感じがしますよね。それはなぜか?という答えが「通り道を邪魔している」からなのです。

大量の物がある図書館や倉庫、雑貨屋では、物にあふれてはいても、通路はしっかりと確保されているので、整然とした感じがします。物が綺麗に揃って置かれているとか、そういうことではなく、「通り道があるかどうか」なんですね。

これは人の通り道だけではなく、空気や光も含まれます。なので、窓辺に物をやたらと置いている家も「いやな感じがする」のです。

「人・光・空気の通り道を確保する」という意識だけで、部屋の快適度はかなり上がることでしょう。

これを一例として、本書ではさまざまな局面で「いい感じがする」か「いやな感じがする」かでどうすべきかを判断しています。本エントリのタイトルを「感情的な整理術」と題したのはそのためです。その感覚を強く自覚できるように、理論的に教えてくれるのが、本書の全てだと思います。決してスピリチュアルな風水本なんかではありません

通り道の確保以外で例えば、ものを捨てるときに「この先必要になるかどうか?」で判断できないときなど、「これが家にあるといい感じがするか?しないか?」を考えると、答えが出やすかったりします。

ちなみにガラクタの定義は以下のとおり。

  • あなたが使わないもの、好きではないもの
  • 整理されていない、乱雑なもの
  • 狭いスペースに無理に押し込まれたもの
  • 未完成のもの、全て

こんなものに囲まれていると、どうなるかというと。

「ガラクタ」に囲まれている人は、片付けるエネルギーはとてもないと言います。彼らは常に疲労感に悩まされているのです。実際のところ、「ガラクタ」のまわりで滞ったエネルギーは人に疲労感を与え、無気力にするという影響があります。

「いやな感じ」に囲まれていれば当然ですよね。

僕が10代のころはすごく整理整頓が苦手で、ベッドの上に漫画全巻が並べてあったりしました。一人暮らしでだいぶ良くなりましたが、「なんとなく、すっきり見えるように整理」していました。理論の拠り所が無かったのです。

それが読後からは「通り道」と「感情」を意識するようになり、自信を持って整理整頓できるようになりました。あまりにいい本なので、整理整頓が苦手な親しい人にプレゼントしたことも何度かあります。

風水的な言い回しは少なくありませんが、中身は実に合理的で、納得しやすいものばかりですので、風水といって毛嫌いせずに読んでみてほしいと思います。

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