N高等学校の個別相談会に行ったらガチでネットな通信制高校だった

N高等学校とは

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N高等学校は、株式会社KADOKAWA・DWANGOが設立した通信制高校だ。れっきとした学校法人で、高卒資格を取得できる。特徴は、ネットでほぼすべてが完結すること。通信制のなかでも出席日数が極端に少ないこと。そして課外授業の講師陣がやたらと豪華なことだ。

個別相談会は自分自身の入学相談として赴いた。僕は34歳の会社員なので、なぜいま通信制高校でN高なのか、経緯から説明しようと思う。

最終学歴は高校中退

これまで公の場では言ってこなかったけど、僕の最終学歴は高校中退だ。現役時代に全日制の高校に進学したんだけど、在学1年目の夏休み直後に自主退学した。辞めた理由は、ざっくりいうと勢いだ。家庭の問題とか、いじめとか、そういう外的な理由ではなかった。

その後、友達に説得されて翌年に金沢泉丘高校通信制課程という通信制高校に編入するが、あれこれ言い訳して通信制も休学してしまう。

それからさらに6年後の23歳くらいのときに、近所の友だちが通信制に通うということで、友達と一緒なら楽しそうだな、ということで復学する。

復学からは友達とレポート提出を手伝い合ったりして楽しくそこそこ順調だったけど、そのときすでに正社員として中堅どころで、長期の出張が単位取得に必須な出席に何度も重るなど、効率が悪かった。

また、ソフトウェアエンジニアや社会人としての自信がついてきたこともあって、高卒はもう要らないかなと思い、除籍した。

通信制高校に脱落する理由の多くは強制力が無いから

通信制高校は脱落者が多い。外的な理由もあるだろうが、それだけでもない。

僕が以前に通っていた通信制で単位を習得するには、レポートと呼ばれる穴埋め式の用紙を期限内に提出しなければならなかった。

提出方法は郵送ないしは直接だ。直接といっても必須の出席が週1回以上しかなく、出席しなくていい週もあるので、郵送か直接かは併用することになる。なんともめんどくさい。

レポートで赤点を取らないためには、教科書が必須になる。教科書は、普通にズッシリくる重いものだ。

出席日数の計算も自分で行わなければならない。ちゃんと記録しておかないと、出席すべき授業がわからなくなる。

通信制に脱落する理由として多く聞くのは、この「レポート提出」と「出席」ができないためにある。どちらもそれ自体は難しくないが、全日制にあるような強制力が無いのが要因だ、ということを、入学時に講師から説明を受けた。そして通信制を卒業できたら「意思が強い」と評価されることもある、とも言われた。

全日制高校の場合、出席しなければ家族が気づくし、学校からも連絡が来るので強制力がある。友達もいるから、勉強以外の動機もある。赤点を取ったら追試でなんとか単位を取らせてくれる。

通信制高校はレポート提出も出席も「自由」に行いたいだけ行うので、強制力がほとんど無く、めんどくささが勝ると、すぐにサボってしまう。そして友達づきあいも難しい。授業科目ごとに出席日数があり、任意で出席するので、常にいるとは限らない。すぐにいなくなったりもするし、理由はなんとなく聞かない空気だ。このような環境では、友達に会うために出席する動機が生まれづらい。

ガチでネットな高校がやってきた

N高等学校はほぼ完全にネット経由で単位が取得できる通信制の高校だ。単位取得にはレポート提出が必須となる。

レポートの提出方法は完全にデジタルで、紙は一切使わず、スマホやPCから入力して提出する。教科書を読み解くだけでもレポートを埋められるが、動画授業もある。動画は、教科書紙面の画像と、講師のオーディオコメンタリーがついて、1本20分程度とのこと。教科書を見なくても、動画だけでレポートも埋められるそうだ。動画は観たからといって出席になるわけでもないから、これは動画授業というより、教科書動画だ。

出席は年間で5日程度でよく、沖縄本校のスクーリングでまとめて取ることができる。(沖縄以外に出席できる場所もある)

このようにN高では、従来の通信制と比較して、重い教科書を持ち運ぶこと無しに、いつでもどこでもレポートが提出できる。出席日数の計算もしなくていい。

ただし強制力は同じように無さそうなので、多少のやる気は必要だ。それにしても圧倒的にめんどくさくない。これなら会社員の僕でも、効率よく単位が取得できそうな気がする。

コミュニケーションはSlackで

一部報道で、在学生や講師とのコミュニケーションはSlackを使ったものになると言われていた。個別相談で確認したところ、本当にSlackを使うそうだ。4月時点での参加人数は、1000人以上になるらしい。想像を超えたカオスなコミュニティになりそうだ。Slackなら通信制にありがちな「出席しても友達がいない」問題の解決がある程度は期待できそうだ。

講師に直接DMを送ることもできる。わからない部分はコピペで質問できるし、電話や直接面談するよりはるかに効率的だ。リアルタイムな返答はさすがに保証できないとのことだけど、タイミングがよければSlackの音声通話も使えるかもしれない。担任ごとの教室チャンネル、教師がいる職員室チャンネルも作るそうだ。

GitHubも使うらしいが、個別相談では具体的なイメージはつかめなかった。想像するに、課外授業のプログラミング講座のソースコード配布や、クリエイティブ系の素材の配布に使いそうだ。生徒作品の添削にコメントをつけてくれたりもするかもしれない。

大検よりも興味が勝った

N高を検討していることをSNSで流したら「あきやんの場合、大学検定(現在の名称は高等学校卒業程度認定試験)のほうがいいんじゃないの?」とのコメントを頂いた。高卒だけを取りたいならそれもありだと思う。

高等学校卒業程度認定試験は、所定の試験に合格することで、高卒と同等の資格を習得できる制度だ。高1レベルの難易度らしいので、ちゃんと試験対策すればふつうに合格できる。

ちなみに、すべての高等学校は、高卒資格を持っていない人のみが入学できる。34歳で高卒資格を持っていない僕は、逆に限定チケットを持っているのと同じことだ。新規サービスフリークの僕としては、このチケットは使わないと後悔すると思った。ただ高卒を取るだけではない、新しいネット高校への興味が勝(まさ)ったかたちだ。

文化祭は超会議への参加で、友達と親戚を招待できる

N高生には文化祭としてニコニコ超会議に無料で参加できる。N高の学生証を持っていれば、通常のゲートに並ばずに、別から入場できるらしい。友達5人と三親等まで招待可能とのこと。4月入学の第一期生なら、今度の4/29,30の超会議から参加可能になる。

超会議では出店側として何かをやることは無く、あくまで来場客としてだそうだ。もとからの超会議ユーザーや、ニコニコ系コミュニティが好きな人なら、ちょっとした特典といったところか。会場までの交通費は自費になる。

制服は任意購入で4万円

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通信制の高校には珍しく、制服がある。制服といっても購入は任意で、男子は上下で約4万円になるとのことだ。この制服写真は個別相談会場に展示されていたもの。

相談の担当さんに「きっとお似合いになりますよ」と言われたけど、ネタなのかマジなのかわからなかった。でも、N高生として超会議に行くなら着て行ってもいい気がする。コスプレが普通な場だし、同じN校生がいたら共通のコンテキストになる。現地で着替えるのだとは思うけど。

入学式は生放送される

N高の入学式は沖縄本校で行われ、ニコファーレとニコ生で中継される。N高生ならニコファーレに入場もできる。4/6(水) 13:00 開演だ。

課外授業がサブカル的に派手

その他にも課外授業の講師陣がやたらと豪華で、プログラミングや小説、作曲などを学べる機会がある。

このあたりは個人的にはあってもなくてもよいのだけど、プログラミングに関しては仕事がらみでふつうに相談しちゃったりできそうだ。

詳しい紹介記事は以下

N高を詳しく紹介している記事は以下の通り。

Web出願 (5,000円) は行った。あとは編入学用の書類を急いで調達して沖縄本校に届けないといけない。入学式ギリギリになりそうだけど、間に合うかな、、、。

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コメント / トラックバック 1 件

  1. @nipponishin より:

    はじめまして。
    以前より御活躍をネット上ですが拝見しています。
    小生の15歳の長男がN高等学校に入学します。親としてとても楽しみにしています。
    文内にある入学式は60名限定だそうで、N校生でも当選者以外は入れないそうです。
    今後ともよろしくお願いします。