InoreaderでLDRの購読体験を再現する方法
フィードリーダーの老舗である Live Dwango Reader (旧 Livedoor Reader) が2017年8月31日をもって終了する(【Live Dwango Reader/LDR Pocketサービス終了のお知らせ|LDR / LDRポケット 開発日誌)ということで、乗り換え先として Inoreader を選んでみたところ、Inoreader のルック&フィールがLDRにかなり近く、細かい設定を変えればLDRを再現とは言えないまでも「購読体験」としてはかなり近いところまで行けました。その設定を紹介します。
目次
購読体験再現1 フィード単位で読む「グループ化/フィードごと」
LDR以外のほとんどのRSSリーダーは「記事単位」で読むことを前提にしています。LDRはそうではなく、フィード単位でまとめて読むことに特化しています。というか記事単位で読むことができません。既読はフィード単位で一気に消化されます。
フィードの最小要素は記事なので、記事単位が自然といえば自然なのですが、大量のフィードを読む場合、記事単位で見せられると「どのフィードから配信された記事なのか」の認識コストが気になってしまい、未読消化のテンポが悪くなります。複数のフィードの記事が時系列優先で混在してしまうと最悪です。なので、「さあ今からこのフィードを読むぞ」と1フィードづつ準備して読むほうが、認識コストが低く快適に購読できます。「何が書いてあるか」だけで読むより「誰が何を書いたのか」を読みたいのです。
Inoreader でもフィードを選択すればフィードごとに読むことはできるのですが、数百フィードもあるとキーボードショートカットを使うのですが、次のフィードへ遷移(Shift+j)していくときに、途中にフォルダにフォーカスが遷移してしまい、複数フィード混在記事表示が挟まってテンポが悪くなります。
↑キーボードショートカットでの遷移ではこのようにフォルダ選択状態になってしまう。
そこで、 Inoreader には記事をグルーピングする設定があり「フィードごと」「日ごと」にまとめることができます。これの「フィードごと」を選択し、「全ての記事」やフォルダを選択するとフィードごとにまとめて未読が表示されるため、フィード単位でまとめて読むという体験を再現することができます。
注意点として未読記事の表示時でないと「フィードごと」は以下のように選択できない状態になります。未読表示中に操作しましょう。
ただ一点問題があって、Inoreader でこのモードを使ったときに2件目のフィード以降ではフィード名の行にフォーカスが遷移しないため、「ここからはこのフィードを読むよ」という準備ができないことが多々あります。サポートに要望は投げたので、フィード名にフォーカスする挙動やオプション設定を期待したいです。
購読体験再現2 連続して記事全体が見える「展開ビュー」
記事単位系のフィードリーダーは、タイトル一覧と、記事本文単体での表示の切り替え型が多く、「複数の記事の全体を見ながらスクロールして一気に流し見」ができません。例えばfeedlyなどがそうですね。
どういったときに複数の記事を本文を見ながら流し見したいかというと、本文がめちゃくちゃ長くて画面に収まらないフィードを読むときで、jkによる記事遷移だとはみ出た部分が全く目に入らないので、タッチデバイスによる柔軟なスクロールで流し見したいのです。
そして Inoreader では「展開ビュー」が LDR の本文表示モード相当になります。
購読体験再現3 余計なアニメーションは排除「オートスクロールを『オフ』」
LDRでキーボードショートカットキーで記事を前後させると、スクロールアニメーション無しで次の記事が表示されます。UIのアニメーションは「ユーザーに何が起こっているのかを知らせる」「待ち時間が短いかのように錯覚させる」といった効果があるのですが、ショートカットキー(jk)で記事を前後操作する場合は、記事遷移を行っていることは認識していますし、読み込みなどの待ち時間も発生しないので、アニメーションは不要です。
Inoreaderはデフォルトではスクロールアニメーションが行われるので、設定の「振る舞い」の「オートスクロール」のチェックを外すと、アニメーション無しで一瞬で遷移します。ちなみにこの設定項目の説明からアニメーションの有り無しについてなのか分かり辛く、サポートに要望を出してから判明しました。
LDRではできなくてInoreaderで出来る嬉しいこと
LDRは良くも悪くも老舗のRSSリーダーで、完成度は高いもののキャッチーな新機能が実装されませんでした。Inoreaderに乗り換えたことで出来るようになった嬉しかったことを紹介します。
使いやすい純正スマホアプリがある
LDRでもサードパーティーの高機能なリーダーアプリがありましたが、Inoreaderでは純正の自然なつくりのアプリがあります。基本的なところはきちんと抑えられていて好印象で、複数アカウント切り替え機能もあるという完成度の高さがいいですね。
Facebookページの購読
個人的に一番嬉しかったのがこれです。官公庁系の情報発信源としてFacebookページが多く、Facebookの方で「トップに表示」することで購読していたのですが、Facebookはリアル知人の近況把握ツールにしておきたかったので、仕方なくという感じでした。最上の年$49.99のプランで100フィードまで購読可能です。
Twitterアカウントの購読
Twitterアカウントをフィードとして購読できます。Inoreader以前はTwitterGoodRSSを使っていましたが、Inoreaderが生成するフィードの方がリッチな感じなので乗り換えました。有料限定で最大100フィードまで購読可能です。
Google+ アカウントの購読
Google+ のフィードリーダーでの購読方法は無かったのですが(もしかしたらもうあるのかも)、Inoreader で出来るようになりました。有料限定で最大50フィードまで購読可能です。
キーボードショートカットが充実している
キーボードショートカットがFeedlyよりもかなり多いのがいいですね。LDRも多かったですね。
サポートが手厚い
Inoreaderを使い始めてすぐに「あともうちょっとこうだったらLDRっぽく使えるな」と思った点が沢山あったので、Google翻訳でサポートに要望を投げたところ、即座に「そのためにはこの設定を使ってください」「そういう機能は無いが、こうすれば近い体験が得られるはずだ」という手厚いサポートを頂き、ちょっと感動しました。
このやりとりから、かなりこだわって作っている印象を感じて、今後も要望を受け入れてくれそうだと思い、Inoreaderを使い倒してみよう!という思いが強くなりました。
最後に、有料プランは最上のグレードを1ヶ月間の試用が可能です。ソーシャル系のフィード数が少なければ月額$2.99のプランがちょうどいいですね。僕はこのプランを選択予定です。
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